クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 だが、元聖女候補は元聖女候補だった。様々な人たちに祈りを捧げていただけのことはある。その症状から推測できる要因をいくつも知っているのだろう。恐らく、聖女よりも知識はあるのではないか、とティメルは思っている。
 何しろティメル自身が優秀な魔術師だ。そのティメルがレーニスに今の件を相談したのも、彼女の実力を確認するため、という理由も含まれていた。聖なる力を失ったとしても、あの知識は充分に使える、と。

 飛竜舎に戻ったティメルは、昨日の宿直当番から話を聞いた。やはり、振舞われた食事を飛竜舎の側で食べていたらしい。そのとき、一匹の飛竜が変な鳴き声をあげたから、つい料理を手にしながら飛竜の様子を見に来てしまったとか。
 ティメルは、鱗の色が変わった飛竜に異物を取り除く魔法と回復魔法をかけた。
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