クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「まあ、嬉しいわ。その、飛竜には私も乗ることができるのかしら?」

「レーニス様一人では難しいかもしれません。何しろ飛竜は、竜騎士の番のようなもの。竜騎士が認め、さらに飛竜に認められたら乗ることができるかもしれませんが。ですが、デーセオ様と一緒であれば、飛竜も許してくれるかもしれませんね」

「そうなのね。でもまずは、一人で馬に乗れるようにしないと」
 このフルヘルト領の移動にとって馬はかかせない。だが、レーニスは馬に一人で乗ることができない。それの練習を始めたばかりだ。

「ああ、でしたら。レーニス様が馬に乗れるようになりましたら、飛竜舎へご案内いたしましょう。それに、馬の練習にもちょうどよい距離に飛竜舎がありますので」

「そうなのですね。それは楽しみです。それでは、頑張って馬に乗る練習をしなければなりませんね。飛竜に会うために、頑張ります」
 彼女は飛竜に会うために、と言った。だがティメルは考えていた。レーニスがあそこまで馬に乗れるようになるには、それほど時間は要さないだろう。だけどデーセオはこの屋敷に戻ってくる様子も無いし、ならば飛竜舎を案内するという口実でデーセオがそこにいる間にレーニスを連れて行けばいいのではないか、と。
 何度か手紙をやり取りさせ、時期を見計らってレーニスを向こうへと連れ出す。
 我ながらいい考えだ、とティメルは一人ほくそ笑んでいた。
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