クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 きゅぅ、と飛竜が鳴いた。まるで二人の会話を聞いていたかのように。ようにではなく、この飛竜は人の言葉をわかっているのだ。

 デーセオはもう一度彼女を抱く腕に力を込めた。レーニスが恥ずかしがる原因はわからなかったけれど、デーセオは「温かい」と言われて嬉しかったのだ。この顔も身体の大きさも、全てが彼女を怖がらせるのではないかと思っていたけれど、レーニスはそんなデーセオの全てを受け入れている。こうやって彼女をすっぽりと包み込める体格であったことを、今は少しだけ誇りに思っている。彼女の風除けくらいには、なれるかなと。

 きゅきゅっと飛竜が鳴いて降下する。いつもの飛竜舎が見えてきた。
 飛竜から降り立ったデーセオとレーニスであるが、レーニスの手に触れると彼女の手が冷え切っていることにデーセオは気付いた。

「すまない、気が利かなくて」
 もう少し厚い革の手袋を彼女に与えればよかった。それでも彼女は、恥ずかしそうにはにかみながら「いえ」と答える。

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