クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「いや、本当に大した内容ではないんだ。その、俺が結婚をしたから、だな。顔を見せに来い、と、いうことが書かれていて、だな」

「奥様。旦那様は結婚されたことを陛下に黙っていたのです」
 鉄仮面をかぶったままジョナサンが報告した。

「そうだったのですね」
 としかレーニスには言いようがない。そもそもデーセオのような男の結婚を、国に内緒にしておいていいものかどうかもわからないし、それが国王に知られたからどうなるのか、ということもわからない。

「こうなることがわかっていたから、黙っていたのに」
 と呟いているデーセオが、いたずらをして花瓶を割ってしまって隠れているような子供に見えた。

「ですが、このように手紙が来てしまった以上は、やはり陛下に報告に伺った方がよろしいのではないでしょうか?」

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