クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「さすがデーセオ様ですね。それは思いつきませんでした。海を荒れさせ、あちらの船がこちらにつかないようにすればいいのです」

「できるのか?」

「魔術師の力だけではできません」

「できないのかよ」
 なんと、あのデーセオがツッコミをいれてきた。これもティメルにとっては驚くべき進歩だと思っている。むしろ、進化かもしれない。

「天候を操るというのは、魔術の力ではなく、聖女様の聖なる力の領域です」
 その違いがデーセオにはよくわからないが、ティメルがそう言うのであればそうなのだろう。
「ですから、聖女様の力をお借りすれば、その船をひっくり返すことは可能だということです」

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