クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「だがな、神殿はあの状況だ。協力するとは思えないだろう?」

「でしょうね。陛下がいくら命じても、どこかでそれが揉み消されそうな気がします。ですからまずは、神殿の協力を得たいと思うのであれば、腐りきった膿を出し切るしかありませんね。しかもあの状況が陛下の耳にも届いていなかった。となれば、大臣たちが絡んでいる可能性も高いわけです」

「神殿と大臣が繋がっていると?」

「そもそも、レーニス様の最初の嫁ぎ先候補となった禿エロ親父、ではなくパエーズ卿ですが、あれだって元は財務大臣を務めていた禿エロ親父です」
 二回、言った。よっぽど大事なことだったのだろう。
「聖女になることのできなかった聖女候補たちですが。彼女たちの嫁ぎ先の多くは、そういった大臣や元大臣の伝手がありました。まあ、全部が全部ということではありませんが。そうですね。見目が良くて、経済的な支援のない家柄出身の聖女候補、と言えばわかりやすいかもしれませんね」
 ティメルの言う聖女候補には心当たりがある。いや、むしろレーニスがそれに合致する。

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