クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「結局。真面目に祈りを捧げていた聖女や聖女候補たちが一時的に力を失って神殿を追い出され、金のために祈りを捧げている聖女や聖女候補たちが神殿に残っている、ということか」

「そう表現するのは、一番わかりやすいですね」
 そう、わかりやすいのだ。真面目に祈りを捧げていた聖女や聖女候補たちは、聖なる力の需要と供給のバランスが崩れ、一時的に聖なる力の枯渇を起こしてしまう。だが、金のためにそれを使っている者たちは、需要に対して供給が圧倒的に少ないのだから枯渇することも無い。

「では、ティメル。悪いが、その神殿を追い出された聖女や聖女候補たちに連絡を取ってもらえるか?」

「承知いたしました」
 命じられるまでもない。こんな面白い事実を調べないわけにはいかないだろう。神殿はいつから腐っていたのか。いつから聖女候補たちを商品にしていたのか。
 恐らくフォッセ家はそれらに関わっている人物から言い寄られたのだろう。神殿から追い出された聖女候補は、その力が偽物だと言われているため、まともなところに嫁げないぞ、と。だったら、いくつか紹介するからそちらに嫁がせたらどうか、と。
< 268 / 318 >

この作品をシェア

pagetop