クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 デーセオがそう言えば、レーニスはほんのりと笑みを浮かべた。この不器用な夫の気遣いが素直に嬉しい。

「明日、お前と同じような元聖女候補だった者たちと会わせてやる。いろいろ話したいこともあるだろう」

「ありがとうございます」

 レーニスは今、あらためて幸せであると感じていた。だけど、ここに至るまでの過程はいろいろあった。聖女候補として不適格の烙印を押されたときは、絶望さえした。そしてあのフォッセ家は金でレーニスを追い出そうとしていた。それでも最終的にこの夫の元に来ることができたのは、運命の廻り合わせか。それともたまたま運が良かったのか。

「どうかしたのか?」
 デーセオはじっと自分の顔を見つめてくる妻の姿に気付いた。なんとも表現し難い表情で、じっと見つめている。

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