クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「辺境の竜騎士様と呼ばれているデーセオ様ですね。存じ上げております。レーニス様。本当に素敵な方と一緒になられて……」
 それ以上、マーサの言葉が続かなかったのは、彼女の目から涙が溢れてしまったから。

「マーサ。私、あのときあなたに言われた言葉を信じていました。ありがとうございます」

「いいえ。こちらこそ、この神殿を救ってくださってありがとうございます。新しい代表のティメル様は、本当に民たちのことを思ってくださっています。これから、神殿も変わることでしょう」
 ティメルを代表にと思っていたレーニスやデーセオの考えは間違っていなかったようだ。

 マーサに別れを告げ、フルヘルト領へと戻るのだが、今回はこの調印式のために竜騎士部隊長として参加したため、そういうときは飛竜で移動ができるらしい。この辺の仕組みはレーニスにはよくわからないが、竜騎士部隊長としてという肩書がある場合は、飛竜で移動してもいいらしい。

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