クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「どうするつもりも、何するつもりもない。ただ、俺の呪いの解呪を頼みたいだけだ」

「左様ですか」
 と言うティメルの目は「本当にそれだけですか」とも言っているように見えた。

 デーセオは辺境の竜騎士と言われるだけあって、国境の辺境に領地がある。この王都からその領地までは馬車で三日かかるため、デーセオはこの王都で二泊する予定だった。竜騎士だから飛竜を使えばいいのだが、私用での飛竜を使うことは避けたい。この王都の上空に、何でも無い日に飛竜が飛ぶとなると、非常に目立つからだ。なので、地味に馬車移動。

 デーセオは今日の宿に向かいながら、レーニスという元聖女候補のことを考えていた。解呪を得意とする彼女はどのような人物なのか。他の聖女さえ引き受けなかったそれを快く引き受けてくれた彼女。

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