クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
竜騎士の部下
 レーニスがフルヘルト卿の話について「はい」と答えた次の日。彼の部下と名乗る男がフォッセ家の屋敷に現れた。

「レーニス、レーニス」
 と、ひときわ高い声をあげて彼女を呼びに来たのは、ロイス。仮面をかぶらなくても、その顔は笑顔で溢れていた。

「オーサー様が、いらしているの」

 また聞いたことの無い名前がレーニスの耳に入ってきた。どちら様でしょう、という顔をすると。

「フルヘルト卿に仕えている魔術師の方よ。これからのことを相談されたいって、今、いらしたのよ」

 魔術師。聖女の聖なる力とは異なる不思議な力で、魔獣を倒し、魔獣を飼い慣らし、人を助け、人を呪う。
 それがレーニスの魔術師に対する印象だった。今日、ここを訪れたオーサーという魔術師はどのタイプの魔術師だろうか。

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