◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
 納得がいかないこともないけれど、余りに突拍子もない話ばかりで、さすがにあたしの持つピースは、数が増えても在るべき場所に納まらなくなってきた。少し時間を掛けて整えなければ、上手くその絵を導き出せなそうだ。その戸惑いが表情に出なかったのか気付かないのか、ツパイは話の続きを止めてくれはしなかった。

『ユスリハの先程の最後の質問──どうして時間を止める必要があるか、ということですが、此処からが貴女にとっての酷なお話になってきます。それは僕にとっても、タラやラヴェルにとっても心の張り裂けるようなお話です。どうか心穏やかに聞いてください。そして……それを信じるか否かは、貴女自身で決めるのですよ、ユスリハ』

 ツパイの声は其処から仄かにゆっくりになった気がした。とても大切なことなのだと言うように。とても辛いことなのだと言うように。出来れば聞きたくないと思っていた。きっとそれを聞いた(のち)、信じたくないと思うのだろうと感じてしまったから。それでも──

「わ、分かった。ツパイ……話して」

 あたしは一息を吸い一息を吐き……心の準備を示す真剣な瞳をピータンへ向けた──。


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