棗くんからは逃げられない
自分の気持ちも伝えないで勝手に嫉妬するなんて自分勝手だ


ただ、それを伝えることで幼なじみでなくなるのは、実乃梨の1番の理解者ではなくなるのは辛い


「誰だよ…こんな時間に…」

着信を知らせたスマホに眉を寄せる


今は01:00

日付が変わった頃


「はい」

電話越しに聞こえる落ち着いた声


それは聞き慣れているもので余計に眉を寄せる


「あ?」

思わず漏れる声


『じゃあ、それだけっ…』

相手が自分のいいたいことだけ言って、電話は切られた



「いいんだよ、俺は」

実乃梨を幼なじみとして見守るんだ




〈英輔sideEND〉
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