棗くんからは逃げられない
「来週の土曜、空いてますか?」

「あ、えっと…そっか…部活なし…」

「はい、どうですか?」

「う、うん、空いてる、よ?」

「疑問系…ほんとですか?」


喋りつつ、電車に乗り込む

珍しくすいていて席もいくつか空いている


「う、うんほんと、多分…」

「何でそんなに曖昧なんですか、」


「えっとね………」

指をくるくると絡ませて言葉を濁す


「なんですか」

腰をかがめて顔を近づけてくる棗くん


その反動で椅子に座り込む

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