棗くんからは逃げられない

可愛いばかり言わないで


「棗くん?何でそんな機嫌悪いんですか?」

「悪いですよ、すごーく怒ってます」

「えぇ……」


部室で私のジャージの裾を掴み、そっぽを向く夏めくん


何でこうなったかというと、私が当分は送ってくれなくて大丈夫と言ったから


「何でですか?僕、あれ以来実乃梨先輩に手、出してませんよ?」

「っ…これからもダメです!」

「これから出すなんて言ってませんけど」

「~~~…もぅ…」

「顔赤いですね、可愛いです」

「可愛く…ないです」

「いえ、実乃梨先輩は可愛いです」


謎に続く押し問答

さっきまで不機嫌だったくせにもう楽しそうに笑っている
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