棗くんからは逃げられない
「と、とにかく大丈夫です」

「……何でですか?実乃梨先輩が心配なんで…」

「お、幼なじみが迎えに来てくれるんです」


優しい顔と目が合わせられなくて俯き加減に呟く

すると、裾を掴んでいた手が頬を挟み、上を向かされた



「……先輩、今初めて実乃梨先輩の赤い顔にむっとしました」

「!?棗くん!?」
 
「いつもは可愛いのに、今はむっとしました」


「っ……いつも可愛くないですっ」


「その幼なじみが好きなんですか?」

「?」


「その幼なじみが迎えに来てくれるから赤くなってるんですか?」

「っ…赤く、ないです…」


すぐ近くで目を合わせられ、ぶわぁぁといった様子で赤くなる
< 54 / 241 >

この作品をシェア

pagetop