棗くんからは逃げられない
「顔、あわせたくない」

「へぇ、残念だけどそれは無理そ」


琴羽の目線の後を追いかけると……


「っ…!!」
 
「現実は、少女マンガみたいに逃げ回ることを許してはくれないのよ」


諦めな、
といわんばかりに私の肩を叩いた琴羽

 
「ってなわけで棗!実乃梨を頼んだ!」

前方に軽く手を上げた琴羽が去ってしまった


目の前の棗くん


逃げることも敵わず視線をさまよわせた後、蹲る選択をした

 
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