偽装結婚の行く末
翌週の土曜日、あたしは実家に帰って居合わせた母親に茶封筒を渡した。


「これ、(りつ)の学費に使って。あの子進学したいんでしょ?」

「あんたこれ、どうしたの……」


母さんは中に入っている札束を見て目をかっぴろげている。
そこに入ってるのは昴にもらった100万。
説明するのは面倒だから渡してすぐに帰ろうと思った。


「出処は聞かないで。とりあえず綺麗なお金だから大丈夫!」

「あんた、まだキャバやってたの!?職場副業して大丈夫なの?」


けど母さんは完全に勘違いしてる。
短大時代キャバやってたのは本当だけど今はしてないし。


「律のことは大丈夫って言ってるでしょ。そんな身を粉にして働かなくても……」

「だから違うってば!」


一度勘違いすると母さんはマジでめんどくさい。
まあ、学生時代グレてたから不審に思うのは自業自得かもしれないけど。


「あーあ、だから俺連れてけって行ったのに」


やっぱ正直に説明するか、とため息をついたその時、ここにはいないはずの男の声がした。
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