内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
 私が密かに滋賀に引っ越したとき、神林家の男の弁護士は守に会いに行っている。そのときの印象がよくなかったようなのだ。以来吐き捨てるように文句を言う。

『どうする? 適当に断っとく?』

 断るのは簡単だけれど、悠がいなくなった事情は知りたい……。

「会ってみるよ」

『あ、そう?』

「守も時間空けてくれる? 私が大阪に会いに行くから」

『わかった。だけど姉ちゃん、今度こそ理由を説明してくれよな』

「うん。ちゃんと話す」

 日時は守の都合に合わせてもらうよう頼んで、いったん電話を切った。

 背に腹は代えられない。私が弁護士と会っている間、守には晴太を見ていてもらわなきゃ。

 守はさぞかし驚くだろうな。晴太の存在を知らないから。

 でもいい機会だ。いつかは会わせるんだし、少しずつ慣れてもらわなきゃ。晴太は人見知りだからね。

 それにしても――。

 なにがあったの、悠?

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