.゚・*.ツインレイ.゚・*.♪。*.唯一無二の魂の片割れ .*.゚・*.~再会~
再会again
その夜フットサルスタジアムに入るなり、いつも以上に女性陣の冷ややかな視線を感じた。

潤さんと一応付き合い出してから大分慣れたとはいえプロポーズの翌日、生霊飛ばされてないかと不安になりもう一度イメージで黄金のシールドを張る。


「気にすんな! 悔しいならメンバーにプロポーズされてみろっての」


ファンの子達は、玲の睨みに怖気付いた顔でそそくさと二階に上がって行った。

隣市在住の日向君と玲は、スタジアムへのほぼ通り道である我が家に寄り三人で来るのが通常になっている。

何度断っても優しい二人に『一緒に行きたいの!』『玲が喜ぶし』と言われ続け、甘えるに至った。

本音は、私も嬉しいし二人にはいつも感謝している。

でも『今日は、休むね』と玲に伝えたのに、無意識に返事したのか迎えに来て固まったけれど、車内での楽しい会話に随分心が浮上した。

私は、トイレに寄る二人と別れ先にコート奥へと進んだ。

まだ十五分前のせいか二人ストレッチとベンチに一人……藤井君が、紺のスポーツブランドのジャージ姿で室内シューズを履いていた。

あなたは、5Mほど手前で立ち尽くす私にふと視線を向けると、驚愕の表情で見つめ返した。


「……藤井さん?」


次は、私が目を見開き頷くと、完全に固まったまま私を見上げ続けた。

藤井は、私の旧姓である。

約十年ぶりにそう呼ばれ一気に懐かしさが込み上げてくる。


「…………まさか純の彼女?」


私は、即否定したい衝動にかられながらも返事に困り眼を泳がせ黙り込んでしまった。

まだ私達のこと知らない様子に勝手に真実を話して良いものか……?

でも昨日挨拶したのになぜこんな驚いてるの?


「もうバレた?」


彼が、何か話そうとした時、後方で日向君の声が聞こえた。


「凌、実はコンタクト落としてて全然見えてなかったんだって」


「えっ!? ……」


私は、完全抹殺じゃなかったと心底ホッとし余りの脱力感に鞄を落としそうになるのを慌てて受け止めた。


「何で黙ってたんだよ?」


「面白いかな~と思って」


「はぁ!?」


あなたは、ニヤニヤして右隣に座った日向君を唖然と見続けた後溜息を付き、壁際に黒いスポーツバッグを置くとすぐストレッチに加わり日向君も後を追って行った。
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