.゚・*.ツインレイ.゚・*.♪。*.唯一無二の魂の片割れ 〜Reunion〜 .*.゚・*. ❋改訂版❋
蒼き春の記憶
 3月半ば過ぎのまだ肌寒い風が、無防備な頬を容赦なくすり抜けて行く。

 私は、綾と無言のままスタジアム横の、南北に連なる桜並木を歩き出した。この心のように厚い雲の覆った夜空をぼんやり見上げると、ここの桜はまだ七分咲きだった。なんだか遠慮がちに咲いているようで、ふと切なくなる。

 いつもは、暗く静かな夜空を見上げると、無性に寂しさが募り出す。ふと還りたい……そんな想いと切なさに、胸が締めつけられる。

 ただ咲き誇る満開の桜と夜空のコラボには、なぜか毎年ホッと心が温まる。真の居場所に還って来たような、とても深い安らぎを感じていた。

 でも今夜は、なぜか心温まらず凍りついたまま。いつも以上に孤独感に震え胸が痛む。

 きっと満開まで3割足りないから……。

 そう言い聞かせると、ふいに綾が立ち止まった。

「大丈夫? 彼には驚かされっ放し。……断るよね?」

 一瞬、意味がわからずキョトンとした。でもすぐにプロポーズの件と理解し頷くと、安堵の息を返される。

「今回だけは絶対妥協しないで」

「うん」

 いくら結婚願望MAXで優柔不断でも、プロポーズを妥協して受けるほどヤワではない。結婚は、その後の人生を大きく左右するであろう、超ビッグイベントだ。しかしまだつき合っていないのに、プロポーズとは思ってもみなかった。
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