.゚・*.ツインレイ.゚・*.♪。*.唯一無二の魂の片割れ .*.゚・*.~再会~
GWランチ
時間通りに迎えに来た日向君の高級車の左後部座席に座りオフィス街を見ていると、いつの間にか緑の木立と欧風の建物が映し出された。

行先は、『お楽しみ』とのことでまだ知らない。

更にアイアンゲートの先に溢れるガーデン、白亜の大聖堂等フォトジェニックな非日常空間が目に飛び込んで来た。

……まさか凌君のホテル!?

そう気付いた瞬間、胸が高鳴り出し嫌な記憶が甦る。

純さんとの初デート……いきなり部屋に直行しようとしたホテル。

本来なら憧れの心浮かれる素敵なラグジュアリーホテルなのに、最悪の思い出の場に化しているものの凌君の働く姿が見えるかも?

嬉しい反面、まだ顔合わせる心の準備出来てない。

窓ガラスに身を寄せ呆然と大聖堂を見上げていると、前の玲が振り返る。


「気付いた? 凌ちのホテル~! 会えるかな~?」


実にウキウキ楽しげに声を上げた。


「どこヘルプかわかんないし裏方なら無理だよ」


日向君は、安定の落ち着いたテンションで答えた。

……まだ会えるかわからない。

落ち着け鼓動……。

胸に手を当て密かに深呼吸しても鼓動は治まらぬまま地下駐車場に入って行く。

ランチは、ホテル二階のビッフェスタイルレストランで予約十分前に到着すると、十名ほどの最後尾に絢達が並んでいた。

笑顔で手を振る二人に挨拶し世間話で盛り上がっていると、順に案内が始まった。

案内された席は、リゾート感溢れる中庭とホテルのシンボルとも言える本格ゴシップ様式の大聖堂、その先には高層ビル群が臨める特等席。

いつも予約してくれる玲に感謝すると、満面の笑みで頷き返した。


「倫が、凌ちに頼んでくれた」


「ギリ予約の上に特等席は〘さすがに無理と思ってて〙って返信来たけど、さすが凌。女キラースマイルでねじ込んだかな?」


皆で笑い合う中、私だけ作り笑いをしていた。

一緒に働く人達にまで嫉妬するなんて……私、恥ずかしいくらい恋してる。

……この敷地内のどこかにあなたがいると思うだけで、ほら鼓動が……。


「先に行っておいで」


「うん! 行こう」


日向君が、荷物番兼ねて私達三人を先に行くよう促し、玲はご機嫌で立ち上がった。

じゃないと鞄持って取りに行くのが嫌な玲の機嫌が悪くなる。

前に純さんと六人で来た時は、彼が一番に行き玲の機嫌損ねたし。

私は、懐かしさと寂しさを感じながら彩やかで美しい前菜と新鮮なサラダコーナーに向かった。

……玲ってば速攻スイーツ物色中で笑える。

パフェの説明見てめちゃ笑顔!

さすがに後のお楽しみぽい。

絢は、大好きな唐揚げを山盛りにしてすました顔でドリンクバーに移動。

私は、そんな彼女達を優しく見守る彼らが微笑ましい以上に羨ましさを感じていた。
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