クールなご主人様は溺愛中
「楽しそーじゃん」


ぼんやりれんげちゃんを眺めていると、後ろから声をかけられる。


「里奈」


後ろに立っていたのは冬夜くん。


「冬夜くん!」


「あ、翔」


「里奈、チラシちょうだい」


「あ、うん。来てね」


「ああ。里奈は?接客すんの?」


「んーん。ここで呼び込みだけ。お昼から暇なんだけどね」


れんげちゃんは、あの人と回るっぽいし、冬夜くんはシフトいつだろう。


「俺のシフト明日だから一緒に回ろ」


「ほんと?!回る!」


「ん、じゃあ、終わったら教えて」


「うん!」


ふっと笑って、冬夜くんは去っていった。


「ねえ、里奈ちゃん、同じ質問してもいい?」


「......そう、です」


あんなにご機嫌になったら、もう隠しようがない。
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