クールなご主人様は溺愛中
「ねえ、ちょっと寄り道しようか」


「うん。いいよ」


悠くんが連れて行ってくれたのは、クレープのワゴン車だった。


ここ、冬夜くんと来たなあ。


悠くんといるのに、そんなことを考えてしまう私は最低だ。


自己嫌悪に駆られながら、悠くんと一緒にクレープ屋さんの列に並んだ。


「ねえ、里奈ちゃん」


「ん?」


「星野宮のこと、考えてもいいんだよ」


「えっ」


「わかるよ。里奈ちゃんの考えてることぐらい。ずっと、見てきたんだから」


そう言って、切なそうに笑う悠くんに心が痛んだ。


でも、こんな顔させてるのは私。


「ううん。考えないようにする」


「それは......、俺にとっては嬉しいけど」


困ったように、でも、どこか嬉しそうにも見えた。
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