クールなご主人様は溺愛中
「こちらなどいかがでしょうか？」


店員さんが戻ってきて私へドレスを見せてくれる。


ふくらはぎ丈でシフォン素材のスカート、袖がレースで作られていて、すごく可愛い。


胸元はネックレスのためかすごい大きめに空いている。


「可愛い......」


ぽつりと呟いた言葉に店員さんが目を輝かせる。


「星野宮様はどうでしょうか......?」


「ああ、いいんじゃないか？」


「では、こちらでよろしいでしょうか」


「里奈、いいか？」


「もちろん、お願いします」


冬夜くんに外で待っているように言われ、一人お店の前のベンチに座る。


たぶん、私に値段を見せないためだと思う。


どうしても感覚が庶民のままで慣れない私が気を使わないようにかな。


ぼーっとお店の前で冬夜くんを待っていると見覚えのある姿が目に入った。
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