クールなご主人様は溺愛中
それと反対に私を抱いている腕は暖かかった。


「......ふん」


敵わないと察したのか母と妹はそこから立ち去った。


「里奈、平気か?」


その声に応えるように冬夜くんの肩に額を押し付ける。


「よく、がんばったな」


そう言って頭を撫でてくれる。


「......っ。見てたの?」


「ああ。俺は口出さない方がいいかと思って見てたんだけど......」


そこまで言って、冬夜くんは優しい顔をした。


「強くなったな」


「......うん。冬夜くんのおかげだよ」


「俺はなんもしてねーよ」


「ううん。私に毎日の生活の楽しさを教えてくれたもん」


それに、誰かに愛されることの幸せも。
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