クールなご主人様は溺愛中
頭痛も、この気だるさも熱があるんじゃないかって。


今までだって、熱があるからといって休めた日はなかったから働いていた。


気のせいだと思ったら、そうなると思ってた。


でも、ちょっと甘かったかな。


身支度を終えて、いつもの場所まで行く。


もう冬夜くんと運転手さんはいて、私を待っている。


待たせちゃいけないと思って、駆け出したはずだった。


「里奈!」


グラッと身体が傾いて、冬夜くんの焦った声が聞こえた。


それを最後に周りの音が遠のく。


温かいなにかに包まれたのを感じた。


なにか言われている気がするけれどわからなくて、まぶたを閉じた。
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