青の先で、きみを待つ。



「こっちも確認なんだけど、名前って蒼井翔也で合ってる?」

「うん」

ということは、美保が言っていたとおり、彼は一組で尚且つ同級生ということは確定した。だとしたら、途切れ途切れに使っていた敬語はもう必要ない。

……さて問題は次だ。

「私はあなたの言ってることがなにひとつわからないし、私は初対面だと思ってるんだけど違うの?」

でなければ、こんなに馴れ馴れしいはずがない。去年のクラスメイトではないし同じ中学出身でもない。もしかしたら廊下ですれ違ったりしてるかもしれないけれど、私は名前はおろか本当に彼のことを見たことがないのだ。

「初対面だよ。話したこともねーし、お前の名前も二日前に知った」

「だったらなんでこんなに突っかかってくるの? あなたになにかした覚えもないんだけど」

「つーかなにそのとぼけた顔。マジでイライラするわ。あれから二日も経ってるのになんでなんにも思い出さないわけ?」

「はい? だから、そういうのがわけわかんないんだってば!」

彼に釣られて私も苛立ってきた。


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