離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「お伝えしました通り、年内はお部屋が」

「あー、もう。話になんねえ。客を追い出すようなクソ旅館だって言いふらされていいのか? 嫌ならさっさとしろ」

 女性の方も同じ考えなのか、自分勝手な男性を止める気配はなかった。

 理不尽な悪評を流されてどういった影響が出るかを考えると無下にもできず、どうするか必死に考えていたときだった。

「なにかお困りですか、お客様」

 さりげなく私を腕で背に庇いながら現れた智秋が穏やかに言う。

 助けてくれたのだと思うと泣きたくなった。

「そいつが俺らに出て行けって言うんだよ。従業員にどういう教育してんの?」

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