離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「深冬が一緒に手伝ってくれるのでもいいよ。ホテル王なんかやめて、俺と一緒にたちばなのイケメン兄弟として客寄せパンダになろう」

「絶対に嫌だ。お前が四六時中つきまとうなんて耐えられない」

「ひどい。お兄ちゃん、泣いちゃうぞ」

「勝手に泣いてろ」

 素っ気なく跳ねのけられた智秋が楓花の頬に顔を押しつけて泣き真似をする。

 遊んでくれていると思ったのか、楓花はうれしそうにきゃっきゃと笑い声を上げた。

 弟といるときの智秋はこういう人なのかと新鮮な思いで観察する。

 私と一緒にいるよりも肩の力を抜いているように見えた。智秋にとって身内の深冬さんは気を遣わなくてもいい相手なのだろう。

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