離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「そうじゃなくて。ちょっと反応に困ってる。……あ、違う。もらったのが嫌だってわけじゃなくてさ。どんなふうに喜んだらいいか考えてるというか」

「なにを言ってるんだか」

 ぐだぐだになっている俺を咲良が笑う。

「どう喜んだら、なんて考える前にもう喜んでるでしょ? 顔が赤くなってるもの」

「え」

 つん、と咲良が俺の頬をつついた。

 一瞬しか触れなかったのに、甘やかな指先が残したぬくもりは俺の頬から消えない。

「照れてる?」

 楽しげに言った咲良に顔を覗き込まれ、なんとも落ち着かない気持ちになる。

「照れてる……と思う」

< 228 / 235 >

この作品をシェア

pagetop