離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 もし本当に妻にしたい人ができたとき、契約関係でしかなかった女との間に子供がいたらそれはもう揉めるだろう。

 私はそんな揉め事に巻き込まれたくないし、お腹の中の子供にもつらい思いをさせたくなかった。

 だったらなにもなかった振りをして身を引こうとすぐに答えを出せたのは、私自身がシングルマザーの母に育てられた経験が関係している。

 母に子供の件を相談したら、『事情はいろいろあるだろうけど、あんたが大変なときは私が支える。だから気にせず産めばいい』と言ってくれた。

 母に頼りきるわけにはいかないから、仕事ももといた会社を辞めて時間の融通が利く場所を紹介してもらった。

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