離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 そうして産まれてくる子供のために着々と準備を整えながら日々を過ごしていたのだが、臨月になってからはよく体調を崩すようになっていた。

 買い物中に今までで一番強い目眩を感じ、お腹に違和感を覚えたときにはもう意識が遠ざかっていた。

 意識を取り戻したのが今である。

「どうしてここにいるの?」

 買い物帰りに道の途中で意識を失い、病院に運ばれたのだろうというのは予想がつく。

 しかしなぜ、そこに元夫の智秋がいるのかは考えてもわからない。

「君の妊娠を知ってたから」

 智秋は眉根を寄せながらむっとした表情で言った。

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