離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「二十年くらい? そこまで一緒にいたら、もう一生いるのと変わらないだろ」 

 それに、と智秋が私の髪の先を唇に押し当てた。

「もう夫婦生活に期限をつけるつもりはないよ。君はずっと、死ぬまで俺の妻だ」

 じわりと頬に熱が集まるのを感じて智秋から目を逸らす。

 側にいさせてくれるのはうれしいが、智秋の意図がわからない。

 楓花のための結婚のはずだ。だから私たちを再び結びつけた楓花を利用しているようで素直に喜べない。

「若女将の勉強ってやっぱり大変だよね。あなたの足を引っ張らないように頑張るよ」

 複雑な気持ちを押し隠して言うと、智秋は一瞬だけ目を細めた。

< 75 / 235 >

この作品をシェア

pagetop