離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 だとしたら彼は私をどう扱おうとしているのだろう?



 本物の妻として扱う。

 私はその言葉の意味を橘家に来た初日の夜に学んだ。

「妻として扱うってこういうことなの!?」

 思わず叫んだ声は露天風呂に虚しく響く。

 別棟の一階にあるにごり湯の中、私はタオル一枚で肌を隠し、智秋に後ろから抱き締められてもがいていた。

「こら、逃げない。せっかく母さんたちに夫婦の時間を楽しんでこいって言われたんだから、風呂ぐらいゆっくり入ろうよ」

「だからってなんで混浴なの?」

「あんまり暴れるならこのタオル、取っちゃおうか」

「ちょっと! だめ……!」

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