吉良くんの弱愛なところ。
思い立ったら即行動。
ガバッと顔を上げて吉良くんを見た。
なにかを言いかけているわたしの様子を感じ取ったのか、彼はぎょっとして、わたしから少し距離をとった。
そんなの気にせず、食い気味に吉良くんに近づく。
「……よし、吉良くんっ!」
「え、なに」
「ちょっとだけ、外で待ってて!」
「……外?」
どうして、という疑問符は浮かばせない。
わたしの思っていることが伝わったのか、彼は不思議そうにしつつもコクリとうなずいた。
「……あんまり遅かったら帰るからね」
うーん、毒舌なのは変わらないけど……!
待っててくれるのはわかったから、急いで彼をお店の外に出し、レジへと向かう。