吉良くんの弱愛なところ。
これは……キュンどころじゃない、のですが。
致死量のキュンを浴びてしまったのですが。
バクバクバクと飛び出そうなほど心臓が高鳴る。
平静をなんとか保つ。
相手は、無愛想で無関心でツンデレな吉良くんだ。
こちらも負けてばかりじゃいられない。
「ふふっ」
思わず笑ってしまったわたしに対して、吉良くんは不審げに見つめてくる。
「……なに」
なにって、そんなの決まってる。
「吉良くんも、たぶんメンドウだよ」
良い意味で、ね。
わたしは好きだよ、吉良くんの面倒なところ。
「……だる」
だるいなんて言いながら、そっぽを向いてる。
どれだけ悪態をついたとしても、わたしはさっきの吉良くんのデレ言葉が忘れられないんだから。
家帰ったら、クッションぎゅうぎゅうに抱きしめて悶絶するんだから。


