首取り様1
起きたくても起きれない、夢の中で自由にしたくてもできない。


そんな夢の中。


誰かが部屋のドアを開ける音がして佳奈は目を開けた。


薄暗い、普段の部屋よりも狭い空間。


その空間の真ん中に布団が敷いてあり、佳奈はそこで横になっていた。


この光景を見たことがある。


そう気がついた時ドクンッと心臓が大きくはねた。


冷や汗が背中に流れて、心臓は早鐘を打ち始める。


ドアを開けたのは誰?


上半身を起こして確認しようとしたけれど、体はガッチリと固定されているように動かなかった。


誰かの足音が部屋の中に入ってくる。


1人、2人、3人……きっちり5人分だ。


足音は枕元まで近づいて止まった。


佳奈は必死に視線を泳がせてその正体を探ろうとした。


窓から差し込む月明かりに、何かが反射するのが見えた。
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