首取り様1
心臓がバクバクと早鐘を打って今にも爆発してしまいそうだ。


全身にビッショリと汗をかいていて、呼吸はひどく乱れている。


窓から差し込む月明かりは弱々しくて、手探りで電気のリモコンを探してつけた。


室内が明るくなって幾分安心したが、まだ心臓はうるさいままだ。


また、あの夢を見た。


今度は明宏の首がなくなっていた。


ドクドクとうるさい心臓を服の上から押さえつけてスマホを手に取る。


そこにはすでに大輔と慎也からのメッセージが届いていた。


《慎也:夢、見たか?》


《大輔:また夢を見た。今度は明宏だ。春香も同じ夢を見た》


佳奈はどうにか呼吸を整えて全員にメッセージを送った。


《佳奈:私も見た》


美樹からのメッセージは届かない。


が、同じ夢を見ていることは確実だと言えた。


きっと明宏だったから混乱してメッセージを送るどころじゃないんだろう。


《慎也:今から集まれるか?》


《大輔:もちろんだ。春香と一緒に行く。美樹は?》


《佳奈:美樹の家に寄ってみる。先に週合してて》


そしてそのグループメッセージには当然のように明宏は現れなかったのだった。
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