首取り様2
「そんなバカな」


大塚くんは信じていなさそうな口ぶりで言ったが、手はお守りに伸びていた。


どうやらただの肝試しではないと感づいたようで、好奇心が刺激されているのだろう。


「実際にどうなるのか試してみる気はないか?」


明宏がまるで悪い相談事でもしているかのように声をひそめ、身を乗り出した。


こういう風に話をされると自分たちだけ特別扱いされている気分になってくるものだ。


「まぁ、行くだけなら行ってみてもいいけれど」


大塚くんが同意したと同時に明宏はその手にお守りをしっかりと握りしめさせた。


「そうこなきゃ。それじゃまた夕方になったらここで落ち合おう。結果を聞かせてほしい」


「あぁ。お前らは行かないのか?」


すでに席を立っている明宏へ向けて声をかける。


明宏は一度振り向いて「もちろん行くよ。大塚たちが行った後に」そう、答えたのだった。
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