首取り様4
最後の2体
それから4人は再び街へ出て地蔵を探し始めた。


残りの地蔵が2体になっていることで、黒い化け物に出会うこともほとんどなくなっていた。


時折曲がり角などで遭遇しても、明宏が冷静に猟銃を撃って一発で撃退してくれていた。


そのため地蔵探しははかどるはずなのだけれど、残り2体がなかなか見つけられない。


「どこにいるんだよ」


街中を歩き回って疲れも出てきたようで、大輔が乱暴につぶやいて民家の塀を蹴りつけた。


「あと探していないところは、建物の中とかかな」


春香が答える。


さっき一生は民家の中に入り込んでいたし、建物の中にいる可能性は十分にあった。


けれど街中の建物は数え切れないほどにある。


民家も入れると、とても探し切ることはできなさそうだ。


4人共その考えは同じようで無言の時間が過ぎていく。


「例えば、大きな建物を重点的に探すことならできるだろうな」


歩きながら明宏がポツリと言う。
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