どうにかして、ここから消えたかった。

　放課後、呼び出しを食らった。先生でも岩田でもなく。あの時じっとり睨んでいた女子達だ。はぁ…面倒くさい。まあ、よくある脅迫みたいなものだろう。
　指定の場所は屋上だった。これを言われた時私は思わず爆笑しそうになった。タイミングが良すぎる。放課後は岩田が屋上に来るのだ。可哀想に、このままだと私が悲劇のヒロインの様な状態で岩田が登場する羽目になる。
「ごめんねー！委員会で遅れちゃってさあ。」
ほら見たことか、完全に私の髪の毛を引っ張っている手が固まっている。なんて面白い光景だろう。
「何やってるのかな？」
その一言だけで女子がとっとと逃げていった。この様ならやらなくて良かったのになあとか考えていると「原因って…」とか、もう岩田は本題に入ろうとしていた。