どうにかして、ここから消えたかった。

静止画

 私は心底腹が立っていた。何故か、答えは自殺に失敗したからだ。
 要するに自殺未遂。
 天気も、覚悟も、全部完璧だった。本来なら今日、私はこの世界にいないはずだったのに。なんでこんな大多数のために1人が犠牲になる世界に存在し続かなければならないのだろうか。
「意味分かんない。」ボソッとそんな愚痴を朝の騒がしい教室の中、誰も聞こえない声で呟いた。
 「おっはよおう!!!」
人外かと思う様な大きい声が聞こえた。聞こえた方を見るた。最悪だ。そうだ同じクラスだった、近所なだけでなく。
 岩田遙《いわたはるか》。私の自殺を台無しにした、許せない人間だ。
 何かに気付いたのかこちらに岩田は寄ってきた。そして
「昨日の事なんだけどさ、放課後ちょっと屋上来てくんない?」
周りからの視線が痛い。もともと岩田はサラサラな黒髪とくりくりとした二重の瞳の美形な上、性格もさっぱりしていて運動神経抜群というスペックなのだ。俗に言うイケメンだ。
 そのイケメンがだ、私の様なド庶民とコソコソ話しているのだ。気に食わないだろう。
……特に一部の女子達は面倒くさい。
 今、生きてることさえも面倒だし、だるいのに放課後1人になれる時間だというのに今日はやっぱり憂鬱だ。
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