イジワルな君の一途で不器用な恋心

「琳子……やりやがったな……」



ホッとしたのもつかの間、雷夜がよろめきながら立ち上がった。



「当然でしょ。好きな物をエサにして釣ろうってのが見え見え。下心丸出しで恥ずかしくないの?」

「はぁ⁉ なんだよその言い方! 俺は純粋に犬の情報が知りたくてお願いしただけで、下心なんて出してない!」

「だったらわざわざ個別じゃなくてもいいでしょ⁉ 自分はよくても、相手からしたら異性の先輩なんだから! 即答しない時点で察しなさいよ!」

「うーわ、出た。察しろ察しろうるせーな。みんながみんなエスパー人間じゃねーんだよ!」



後輩がいるのを忘れて怒鳴り合う。

普段もよく言い争っている私達からしたら平常運転だったのだけど……傍から見たら、少々声が大きすぎたようで。



「コラそこ! やめなさい!」



怒号が飛んできて、ゆっくりと横を向いた先には。



「全然帰ってこないと思ったら……後輩の前だぞ」



今まで見たことがないほどの怖い顔をした部長が立っていた。
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