駆け出しの恋
一本が終わり、もう一本に火を着ける。
頭がクラクラしてきた。
視界が何かで潤み揺れる。
【未成年の喫煙は禁止よ!】
『隼...み..ぃ....っ...』
俺は泣いた。
惨めな程に泣いた。
不意に誰かに抱き締められた様な気がする。
優しい温もり、懐かしい香り。
俺の頬を掠める長い綺麗な髪。
思わず目を凝らす。
『は...ゃ、美?』
『宗哉....宗哉ぁ...会いたかった..』
夢みたいだったんだ。
『俺だって...隼美..』
その時は...
『宗哉、』
そっと両手で俺の頬を包む。
夢であってほしかったんだ。
『隼美。ゆ...びわ?』
隼美はハッと手を握る。
『ごめんなさい。両親の会社を助けたかったの....ごめんなさい...ごめ..さっ』
俺は隼美を抱き締めた。
夢なら、覚めてくれ。
