闇に咲く華ー偽りの華ー
「僕たちも自己紹介しないとね。僕は神子芝司。鬼龍の副総長してるんだ。大樹とは幼なじみだよ。」
「次は私ね!私赤城広治よ。こうちゃんって呼んでね!鬼龍の幹部よ!私も大樹と司とは幼馴染みなの。」
「俺は高梨仁っす。幹部で詩月と同い年なんです!」
「俺か。倉持光輝だ。ここの情報参謀をしてる。」
「清宮大樹だ。29代目鬼龍総長。」
清宮大樹…。
この中でも異様なオーラが感じられる。
その姿はまさにトップに相応しい。
みんなの表情をみる限り、 詩月の姉という事で歓迎されているようね。
詩月の姉でなければ、きっとこうならないはず。
「これからも、詩月をよろしくお願いいたします。」
そう言って私は頭を下げた。
すると大樹さんは私に声をかけてきた。
「おいチビ。泊まるところは?」
この人またチビって言ったわね。
腹立つ言い方ね!
「私は北園結月!チビじゃないわよ!失礼な人ね。」
「ごめんね結月ちゃん。こいつなりに心配してるんだよ。珍しい事なんだけどね。」
そう言い笑いながら、私をソファーに座るようエスコートしてくれた。
あれが心配してる?
ありえない!
「チッ。」
はい!?
舌打ちしましたよ!?
初対面に舌打ちしましたよ!?
「…この近くのホテルに泊まってるわ。」
不貞腐れながらも、聞かれたこを返す私は律儀かな。
それでもイライラは収まらない。
全く、何でこんなやつに舌打ちされなけりゃならんのよ!
そう心の中で毒づいてると、広治さんが私の前に来てうっとりしだした。