初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました
 元々は両親が二人で営んでいた食堂だけど、兎に角、父親がポンコツで、ギャンブルや、知人の連帯保証人になったりと経費は苦しくなるばかり。

 加えて、ポコポコと子供を沢山作る。

 大家族の特権として、兄弟達はとても仲良く、一番の上のイチ兄は結婚して二人の子持ちだか、家族で頻繁に顔を出してくれるし、すぐ下の二十歳になる弟、サンタもパティシエになるべく家を出て寮生活にも関わらず、休みの日は彼女と遊びに来てくれる。

 兄弟皆んなで力を合わせて生きていて、心強い。

(けれども、けれどもですね、いくら子供好きとはいえ、父よ、母よ…… 、我が家の財政をも少し考えて、産んで欲しかった…… )

 てな、訳で我が家は万年貧乏。

 母が亡くなってから、父と二人で営んで来たが、相変わらず、父はポンコツで忙しい時間以外は、フラフラと出歩いていてほぼ私一人で回している状況だけど、まごころチケットを必要とする子供達の居場所を一つでも多く作ってあげたい思いから、絶対に潰したくない。

 
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