初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました

(天国の母さん、このポンコツな父さんの何が良くて結婚したんですか?! )

 父はお人好しで直ぐ騙される。

 騙す方じゃなく、騙される方だから、マシだと言えなくもないが、家族にしてみたら、大迷惑以外の何者でもない。

 そして困った事に無類のギャンブル好き。

「ま、どうにかなるさ! 」

 口癖のように言う父は人生も博打、これまた知人から最低な話を持って来た。

「ニコ、お前嫁に行け! 」

「はああ?! 」

(……また変な事言い出した……)

 次から次へと、面倒事を起こす父。

「湯浅商事、知ってるだろ? 歴史の古いあそこの家は昔から近親婚が多くて、子供が出来にくいらしいんだ。 で、な、多産なウチの家系なら、子育てにも慣れてるし、沢山子供を産んでくれるだろうから、是非にと言ってくれだんだわ」

(多産って…… 母さんが子宝に恵まれたからって、私までそうだとは限らないでしょ…… )

「……お金ね?! いくら貰ったの?! 」

 眉間に皺を寄せ、ジロリッと父を睨むと、私から目線を逸らした父は呟いた。

「貰ってない……、まだ……」

「まだって事は、やっぱりお金が絡んでるのね?! 」

(どうして…、どうしてこのポンコツ親父は、こうもお金にだらしがないのか…… )

 怒りで目の前がクラクラする私は、落ち着く為に、ハァーーーーーッと一度大きく、息を吐き出した。

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