初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました
 予想に反して、隆也さんはなかなかの好青年。

 そう、見かけだけなら……。

 隆也さんの婚約者となった私は、約一年、お互いを知る為に、彼の家で暮らしているが、婚約者とは名ばかりで、夜の生活以外は殆ど顔を合わせない。

 彼もまた、家の為だと渋々了解した婚約だったので、私には興味がないらしく、義務的な行為を繰り返しているだけだ。

 夢も希望もない婚約生活に、お互い歩み寄って努力するのは早々に諦めたら、とても気が楽になった。

 当初の条件通り、陽だまり食堂にも通えたし、生活自体は彼の身の回りの世話だけで、かなり自由だった。

 もちろん、隆也さんの方も自由に過ごしている様で、女性の影が常にチラついていたが、それについては口出しするなとの事だったので、見て見ぬ振りをした。

 
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