初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました
けれども、次の瞬間私は、隆也さんの言葉に一気に天国から地獄へ堕とされた。

「借金は、口止め料……いや、こっちからの婚約解消の慰謝料という形で、湯浅家が約束通り支払ってやろう。 だが流石にお前も、子供を産むと言う条件がクリア出来てないからな、三千万は出し過ぎだな。 三分の一で手を打ってやる。 残り二千万は変わらずお前の借金だ。せいぜい頑張って働くんだな」

「……うぅ……っ。 確かに、確かに婚約者としての契約は果たしてない……。 でも、二千万の借金……」

 ドナドナされた意味があったのか、なかったのか……。

 いや、一千万の借金が、口止め料なんてかなりの破格。

 うん、かなりお得か……。

 前向きに捉えてみるが、これからの借金の重みに気持ちもズーンッと重くなる。

「それから、この店は人手に渡る。 立ち退きは変わらないからな。 まあ、即金で同じ金額を出せるって言うならお前に売ってやっても良い」

「……ちなみに、おいくらで……? 」

 隆也さんはフンッとバカにした様に笑う。

「五千万だ。 お前に払えるのか? 」

「ヒイッ……ッ! ご、五千万……?! 」

(借金二千万と合わせて七千万……?! )

 隆也さんの言葉に、目の前が真っ暗になった。
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